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オカルト八幡「村長さんの家」

実話怪談 オカルト八幡、はじめます。

「村長さんの家」


私の地元の高知に、にこういう伝承があるんですよ、
「よくわからない高熱に襲われたら、橋の真ん中で着物を三回振って払い、その後絶対に振り返らずに帰れ。振り返ると鬼がついてくる」
市街地のはりまや橋付近の、遊女さんの使うまじないだったらしいんですけどね。……で、それをすると、遊女さんにかかっていた呪いは返るわけです。
呪った人間に。

 

さて、これは西の方の寒村の、うちの母の故郷の話なんですが、
そこはカイコを飼っていて、絹織物が盛んだった地域だったのですが、何度も何度も、なぜか一軒だけの家で、蚕が全滅したりしたそうです。
一軒ずつ全滅して、ぐるりと村を回るぐらいだったそうです。
村人はおのたびに、「あの女の呪いだ」と、村の一人の女性の名をあげたのだそうです。

・・・・・で、この間の母との電話で、そのカイコの話がちょっと話題に出たのですが、その「あの女」というのは、普通の村の女性かと思っていたら、なんと、村長さんの奥様だったそうなんですね。
(個人特定されないために、いろいろぼかしは入れてます)

 

私はびっくりしました。「なんで村長さんの奥様が村人を呪うの!?」
すると母、「あの人は色々と幸薄かったからね。呪いでもしないとやってられないんだと、村で噂だったそうよ。もう昔の話だけどね……」

なんでも、その奥様、一度見たら一生忘れないというほどの凄い美貌を誇った村一番の美女で、若い頃はあでやかな銘仙をきこなして、東京帰りの人らしく、真っ白な日傘をさして、物憂げな表情がそこからのぞいては見る者すべてを魅了するような、大正浪漫の顕現のようなお方だったらしいです。
当時は村長さんちも裕福で、何不自由のない生活をしていた方だったのですが、「幸薄い」と言われる理由はしっかりありました。

子供がなかったんです。
それに、旦那さん(村長さん)が遊郭につめて、毎日遅くまで帰ってこなかったそうで。
物凄い美人の奥さんを持ちながら、彼女には振り向きもせず

「……それって……」


私は思わず、考えてしまいました。
それ、その、村長の奥様が、遊女を憎んでいたんじゃないの?
でもその呪いの「念」を、遊女さんのまじないで返されたんじゃないの?
だいたい、自分の村の評判にも関わるのに、村人のカイコ殺さないだろ普通……。

思わずそんなことを口走ってしまうと、母は、
「え、そうかしら? 確かに呪いの念は強いと噂された人だったけど。(迷信深い土地柄なんです)
でも、あの人はキリスト教に熱心だったのよ。
アメリカからきた宣教師さんにすごく縋っていたの。
キリスト教に呪いなんかないでしょう?」
という。

私はちょっとコメントできませんでした。
だって、キリスト教には、あるんですもん。呪い。
正確には、キリスト教圏にある魔術。
現在は体系化されて、西欧近代魔術として知られますが、
これ、第二次大戦では英国が国家的に使用したほど信頼のおける
魔術だといわれています。人を呪う方法も、ちゃんとあります。
私も少しだけ調べたことがあるけど、
あれは悪魔を呼び出すんだ。

ひょっとして、はりまや橋の遊女が払った呪いの中には、悪魔もいたんじゃ……?

いやいや、まさか。
あまりにもマニアックだわ。
私は当然、そんなことは母には言わずに
適当な相槌をして電話を切りました。

 

それからまた別の日に、母に電話すると
死んだ祖母の話になりました。

「懐かしいわねえ」と母が言う。
「こんな月のない夜には、おばあちゃんがよく言ってたわ。
『まもう』が来るから早く寝なさいって。
怖い思いをしたくなければ、って」
「あー言ってた言ってた。
でも『まもう』ってなんだろうね?
何かのバケモノなんでしょ?
でも、調べても全然出てこないよ」
「魔物、のなまりじゃないの」

母は適当に答えます、まあ、そんなもんなんでしょうけど。
「それにしてもあんた、最近オカルトオカルト言ってるけど、こっくりさんだけは、絶対やっちゃダメよ?」
母のいつもの釘刺しです。小学校のときから言われていました。
「わかってるわかってる。
私がこっくりさんなんかやるわけないじゃない」
「あれはよくないものよ」
「ニュースとかでダメってゆってたんでしょ。わかってるって」
「いや、そうじゃなくて」
「?」

「あれはよくないのよ。
宣教師さんも言ってたのよ」

宣教師?

「え、それってあの、村長さんの奥さんが信仰してた宣教師さん……?」
「そうよ」
「??
こっくりさんなの?
そんなころにこっくりさんがあったの?」
「いや……こっくりさんじゃない。
でも、似たようなものよ」

なんだなんだ?
そういば母は、子供の頃よく村長さんちに行って、
テレビを見せてもらったり
オフロを借りたりしていたはずだ。
そのときに……

「……何か見たの?」
村長さんちで。
私が訊くと、母は、「私は見ていない」といいました。

なんなんだよ……


そういえば、私聞いたことあったんですよね。
村長さんちには、「入り口のない部屋」があるって。
まあ、そんな部屋はうちの母の実家にもあるんで(こっちはただの屋根裏)
今までは大して気にもしてなかったんですが……。

「……とにかく、こっくりさんはだめだから」
「はあ」

とりあえず私も従いますが、妙に釈然としません。

そこで、ふと気づくのです。
亡き祖母が、「まもうが来る」と言ったときに
必ずある方角をさしながら言っていたことを。

それは……村長さんの家の方角。

まもうってなんだ?
村長家に一体何があるんだ?

すると、母がぽつりと言いました。

「そういえば、あの宣教師さんが来てからだったわね。
まもうがくる、っておばあちゃんが言い出したのは。
それぐらいからかな、村長さんちの商売が今までよりずっとうまくいきはじめて
凄いお金持ちになって……」

ふとそこで気が付く

「まもう……マモウ……

マモン?」

七つの大罪の強欲(富)を司る悪魔の名前。

私はぞっとしました。

何を?
村長家の美貌の若奥様は、アメリカから来た宣教師を呼んで、一体何をしていたんだ?

ていうかマモンって喚べるの?;;


とりとめもないですが、今回はこれでおわりです。
ご清聴ありがとうございました。

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